とても大切なもの
記憶

1927年7月1日、ミラノのスーザ広場に、医薬品を扱う小さな会社が事務所を構えました。その数週間前、エリオ・ブラッコは、自分の名前を冠した会社、現在のブラッコ・グループを設立する公正証書にサインしていたのです。以来、成長を続けてきたこのファミリービジネスは、現在では、人々の健康に欠かせない治療分野全般を支える高度な医療技術である画像診断の世界的リーダーとしての地位を確立しています。ブラッコ・グループ成長の理由には、創業者の息子であるフルビオが、先見の明を持ち、パヴィア大学を卒業後すぐに父の会社に入社したことも欠かせません。1950年代、フルビオはヨウ素の化学的性質と、当時はニッチな分野であった画像診断への応用に焦点を当てた研究活動を行いました。以来、ブラッコはこの産業に革命を起こし続けているのです。

フルビオは、第二次世界大戦の瓦礫の中からイタリアの経済と市民生活の基盤を再建し、近代化と繁栄に向けたイタリアの原動力となった力強い経営先導者の一人で、真の産業界のキャプテンでした。彼は、強靭で、先見性があり、毅然としている一世代前の人物でした。彼は、戦後、実質的にすべてが不足していることに失望することはありませんでした。1949年、彼はミラノのランブラーテ地区に新しい工場を設立し、将来の成功を研究と革新に賭けました。

研究こそがフルビオの「こだわり」であり、娘のダイアナに受け継がれた経営信条でもありました。

1981年にエルンスト・フェルダー教授の研究成果として生まれたイオパミドールは、ブラッコの財産の多くを占める革命的な分子であることが証明されました。1980年代から2000年代にかけては、グループの国際化の時代であり、X線、磁気共鳴、超音波、核医学など、あらゆる種類の画像診断用の最先端製品で、世界市場にその場を切り開いたのです。